税理士の山本です。
「数字に弱い社長」は銀行から嫌われます。
銀行は融資先の評価・審査をするうえで、「数字(おもに決算書)」を重視しており、
具体的な数字で示すことができないと、銀行から「この人、数字に弱い社長?」と思われることにつながりかねません。
そこで今日は、知っておいて欲しい数字を4つお伝えさせていただきます。
①スタッフ1人あたりの売上高
②売上総利益率
③損益分岐点売上高
④借入金総額、債務償還年数
①スタッフ1人あたりの売上高
「売上高 ÷ 従業員数」
売上高全体については覚えていても、
スタッフさん1人あたりとなると計算してみないとわからない。
ということはありませんでしょうか。
銀行は「スタッフ1人あたりの売上高」を、収益力の指標として見ています。
同じ売上高のお店でも、従業員数が多いお店と少ないお店とでは収益力に差があるからです。
そのため、銀行から「スタッフ1人あたりの売上高」を聞かれたときに、
「そういえばウチの会社の従業員は、15人。いや 16人だっけ?」と言っているようだと、
経営者の姿勢まで疑われてしまいかねません。
従業員数・そして1人当たりの売上高については、きちんと把握をしておきましょう。
②売上総利益率(粗利率)
「売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高」
売上高は重要な数字ではありますが、それ以上に大切な数字として「利益」があります。
いくら売上高が大きくても利益がなければ意味がないからです。
なかでも、「売上総利益率」の指標には銀行も注目をしています。
サービス価値・商品力を高める努力をしているお店ほど、売上総利益率が高くなります。
売上総利益率の高低には、サービス価値・商品力に対する経営者の姿勢があらわれます。
ぜひ、この数字も押さえておきましょう。
③損益分岐点売上高
損益分岐点売上高とは、文字どおり、損失と利益が分岐する売上高。
つまり、「利益がゼロになる売上高」を言います。
ざっくり計算するなら、
「販売費および一般管理費 ÷ 売上総利益率」で計算することができます。
利益がなければ返済ができない。利益がなければ融資はできない。
ゆえに、利益が出るか出ないかの分かれ目となる、損益分岐点がどれくらいなのか?に銀行も注目しています。
損益分岐点売上高が高ければ、それだけ多くの売上が必要であり、利益を出す難易度は上がります。
一方、これが低ければ、その分小さな売上で済みますから、利益を出す難易度は下がります。
「いくら以上の売上があれば、利益がでるのか。」
それをシンプルに表すのが損益分岐点ですので、銀行も注目している数字の1つです。
④債務償還年数
「債務償還年数 = 借入金総額 ÷ キャッシュフロー」
借入金総額を、借入金の返済原資であるキャッシュフロー(税引後利益 + 減価償却費)で割ってみる。
そうすると、あと何年で借入金が完済できるのか。という数字がでてきます。
これが「債務償還年数」です。
この債務償還年数が10年を超えると、「借りすぎ」というのが一般的な見方になります。
債務償還年数を 10年以内に抑えられるようなキャッシュフローの額(とくに税引後利益の額)を把握しておくようにしましょう。
オーナーさんがそこまでわかっていれば、銀行としても安心感を覚えます。
まとめに
①従業員ひとりあたり売上高
②売上総利益率
③損益分岐点売上高
④借入金総額、債務償還年数
これらは銀行が特に注目をしている数字です。
これをスラスラ説明することができれば「数字に弱い社長」と思われることもないでしょう。
経営においても重要な数字と位置づけて、
ふだんから確認するのをクセを付けておいていただくのがオススメです。
kei
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