税理士の山本です。
美容室のオーナーさんが引退を考えていて、
「俺、もう年だから引退しようと思ってさ、この店継いでくれないか。」
なんて打診されることがあると思います。
これを、「事業譲渡」といいます。
事業譲渡は、サロンの設備や備品をそのまま引き継ぐケースが多いです。
ですが、「今あるものだけ、マルっと引きつげるなんてお得じゃん!」てわけではないです。
そんな旨い話はありません。
あなたが前オーナーからサロンを引き継ぐには、
2つの大きな支払いが待っています。
それが次の2つ。
1.不動産物件費用
2.事業譲渡費用
1.不動産物件費用
事業譲渡の際に、1番大きな支出がこれではないでしょうか。
店舗運営を引き継ぐ場合は、
前オーナーから新しいオーナーへ各種契約の名義変更の手続きが必要となります。
その中で1番大きいものは、不動産契約です。
新しいオーナーになるということは、
つまり、新規の不動産の賃貸借契約となりますので、敷金など不動産物件費用を準備する必要があります。
≪不動産物件費用≫
・前払家賃
・敷金、保証金(家賃の5か月分~12カ月分くらい)
・礼金
・保証会社委託料(保証会社により異なりますが、家賃の1か月分ぐらい)
・火災保険料
・仲介手数料(家賃の1か月分)
家賃15万円の物件の場合、少なくとも不動産の初期費用に約120万円以上かかる計算になります。
2.事業譲渡費用
次に大きな支出が、この「事業譲渡費用」でしょう。
前オーナーさん引き継ぐ店舗には、
内外装の工事をはじめ、セット面・シャンプー台などの設備や備品があります。
これらはすべて、前オーナーさんが購入したものです。
そのため、新しいオーナーさんが引き続き使用する場合、
前オーナーさんから中古で購入することとなります。
通常は、前オーナーさんと「事業譲渡契約」を結び、
①どの物品を譲り渡すか、そして、②売却金額を決めます。
①については、「内外装工事及び設備・備品一式」などとして、
そのまま譲り受けるケースがほとんどです。
②の金額は、前オーナーさんがどのくらいかけて工事を行ったかにもよりますので、
話し合って決めることとなります。
3.まとめ
オーナーさんにとっても、そのサロンで働くスタッフさんにとっても愛着のあるお店なら、
「引退するから閉店しましょう」という選択は、簡単にはできないと思います。
もし、事業譲渡を打診され、サロンを継ぐことになった方は、
それだけ信頼されていた証とも言えます。
自分の大事なサロンとお客様を丸ごと譲るわけですから。
新しいオーナーさんになる方で、「資金面でちょっとムリかもしれない、、、」とお考えの方については、
公庫から創業融資をうけることも可能ですので、
もし不安な方はご相談ください。
kei
最新記事 by kei (全て見る)
- 【ただいま、新規顧問契約のお申込みを停止させていただいております】 - 2021年11月25日
- 経済産業省より、「月次支援金のリーフレット・詳細」が公表されました!【一時支援金・第2弾】 - 2021年5月19日
- 山武市中小企業緊急支援給付金【山武市の理美容業のオーナー様へ・市独自の給付】 - 2021年5月17日