美容室・理容室専門の税理士 山本 佳

開業時にいただいた祝い金やお花は、確定申告する必要がある?

美容室とお祝い

 

 

「開業時にいただいたお祝いの品は、確定申告したほうがいいですか?」

 

 

 

美容室を開業なさったオーナーさんから、

 

こんなご質問をいただきました。

 

 

 

美容室をオープンすると、

 

 

祝い金、お花、観葉植物、物品などを、

 

 

ご親族やご友人、関係各社様からいただくことも多いかと思います。

 

 

 

このお祝い、

 

果たして、確定申告で収入計上すべきでしょうか?

 

 

1.「祝い金」は、事業所得として収入計上する

 

 

まず、祝い金や商品券などを頂いた場合、

 

 

事業所得として申告しなければなりません。

 

 

 

これは、美容室を開業したことによりいただいたお金ですので、

 

 

事業に付随して生じた収入といえるからです。

 

 

国税不服審判所(採決事例集NO.63-153)

 

 

 

2.お花や観葉植物、物品は?

 

 

では、お花や観葉植物は、どうでしょうか?

 

 

結論からお伝えすると、

 

 

収入計上する必要はありません。

 

 

 

本当なら、お花や観葉植物も収入計上する必要がありますが、

 

 

収入と同時に、同じ金額の消耗品費が計上されるからです。

 

 

 

オープンのお祝いに、

 

 

①15,000円の胡蝶蘭をもらって、収入15,000円を計上

 

 

②その胡蝶蘭をお店に飾るので、消耗品費15,000円計上

 

 

つまり、±0となるので、

 

 

そもそも計上する必要はないということになります。

 

 

 

※ただし、頂いた物品が10万円以上であれば、

 

減価償却の対象となるため、

 

 

①収入の計上

 

②消耗品費ではなく、固定資産として計上

 

 

の両方が必要になりますので、

 

高額の物品をいただいたときは、お気を付けください。

 

 

3.まとめ

 

 

「祝い金や商品券」は、収入計上が必要です。

 

 

一方、

 

 

「お花、観葉植物、物品」は、

 

 

①1個10万円未満なら、計上しなくてOK

 

②1個10万円以上なら、収入+固定資産計上

 

となります。

 

 

 

 

また、最後にマメ知識を1つお伝えすると、

 

 

頂いたお祝いに「お返し」を送る場合は、

 

 

もちろん経費になりますが、

 

 

 

「誰から頂いたお祝いのお返しなんですか?」

 

 

 

と税務調査で聞かれることがありますので、

 

 

誰にお返しを送ったのか(誰からお祝いをもらったか)を、

 

 

お返しの領収書にメモしておいていただくと、

 

 

証拠資料になるので便利です。

 

 

 

 

これから1店舗目をオープンする方も、

 

 

2店舗、3店舗、多店舗展開なさる方も、

 

 

「お祝いはこういう扱いなんだな。」

 

 

ということは、念のため知っておいてください。

 

 

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税理士の山本 佳です。千葉・東京を中心に、美容室・理容室の経営者の方々へ、税務顧問サービス・融資サポートを行っています。美容室・理容室の顧問契約、開業や融資でお悩みの方は、ご相談ください。
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