美容室・理容室専門の税理士 山本 佳

「退職金制度をつくろうかと思うんですが、中退共ってどう思いますか?」

中退共は慎重に

 

 

税理士の山本です

 

 

 

 

「退職金制度をつくろうかと思うんですが、中退共ってどう思いますか?」

 

 

 

 

オーナーさんから、退職金制度についてご相談いただきました。

 

 

 

 

ちなみに、中退共とは、国が運営するスタッフさんの退職金の積立制度のことです。

 

 

 

 

これに加入すると、お店がスタッフさんの退職金として、

 

 

 

 

毎月一定額を中退共に積み立てていくことになります。

 

 

 

 

払った金額は、全額経費にできるというメリットがあり、

 

 

 

 

スタッフさんが退職した時は、中退共からスタッフさんに直接退職金が払われます。

 

 

 

 

また、国が運営する制度なので、退職金制度を導入しやすいというメリットもあります。

 

 

 

 

ただ、中退共にはメリットもあればもちろんデメリットもあります。

 

 

 

 

1番のデメリットは、「退職理由に関係なく、退職者に満額支払われる」

 

 

 

 

ということです。

 

 

 

 

つまり、懲戒解雇したようなケースでも、退職金が支払われてしまうということ。

 

 

 

 

 

雇用する立場のオーナーさんなら、

 

 

 

 

スタッフさんの退職のご経験は、1度や2度ではないと思います。

 

 

 

 

その時どんな気持ちだったでしょうか?

 

 

 

 

結婚、出産、独立など、これからの将来を応援してあげたいスタッフさんもいれば、

 

 

 

 

心の底から喜べないような辞め方をするスタッフさんもいたかと思います。

 

 

 

 

もっと言うと、お店に迷惑をかけたり、不正をして辞めていくスタッフさんもいますよね。

 

 

 

 

そんなスタッフさんでも、中退共で退職金を積み立てていたら、

 

 

 

 

中退共で積み立てた満額の退職金が支払われることになります。

 

 

 

 

納得いかないですよね。

 

 

 

 

正直、応援できない辞め方をする人に退職金を払うなら、

 

 

 

 

お店に貢献してくれているスタッフさんに、賞与を払ってあげて欲しい。

 

 

 

 

もちろん今まで本当に貢献してくれて、

 

 

 

 

定年まで勤めて退職するスタッフさんに退職金を払ってあげることも必要だとは思います。

 

 

 

 

でもそんな人はほとんどいないのが実情です。

 

 

 

 

だから、退職理由に関係なく退職者に満額支払われる中退共を、私はオススメしていません。

 

 

 

 

また、1度はじめたらやめるのが難しいというのも、中退共のデメリットです。

 

 

 

 

福利厚生を充実させようと、退職金制度を導入するなさる企業はたくさんありますが、

 

 

 

 

デメリットを突き詰めて考えないと、大変なことになります。

 

 

 

 

その退職金制度は、お店に必要かどうか。

 

 

 

 

よくご検討の上、導入をお願いします。

 

 

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税理士の山本 佳です。千葉・東京を中心に、美容室・理容室の経営者の方々へ、税務顧問サービス・融資サポートを行っています。美容室・理容室の顧問契約、開業や融資でお悩みの方は、ご相談ください。
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