税理士の山本です。
「店舗を縮小移転したいのですが、移転費用について融資を受けたいと思っています。」
お客様から、こんなご相談を受けることもあります。
現在の店舗より、家賃が低い物件が近所に出たため、
そこに移転して家賃負担を下げるのが目的。
居抜き物件でもない限り、
新店舗の内装工事や保証金などにおよそ700万円は必要となりますが、
こういった縮小移転における融資のポイントは、3つあります。
1.借入額が、年商に比べて大きすぎないかどうか
「既存店舗の借入残額 + 新規店舗の借入額」
これが、年商のどれくらいの比率になるか。
ということです。
50%を超えるようでしたら、まず融資は厳しいと思ってください。
既存店舗の融資が300万残っていて、さらに移転のために700万の設備投資をすれば、
年商2,000万円の美容室だとしたら、年商に対する融資の比率は50%になります。
縮小移転を行う=収益力も弱まっている、
という状態では、その投資を回収するのにどれほどの期間を要するかわかりませんので、
融資を断られる可能性が高まります。
2.投入できる自己資金は、どれくらいあるか。
融資はある意味、他人のお金です。
そのため、他人のお金で全額の設備投資をまかなおうとするのは、
これまでの返済実績・収益性の高い決算書がなければ、まず難しいです。
つまり、自己資金が必要となる、ということです。
銀行融資の審査では、設備投資資金を融資する場合、
最低でも2割の自己資金を求められることが多いです。
3.収支予測をハッキリ説明すること
店舗移転に伴い家賃が引き下がるのは、確かに設備投資の目的になります。
しかし、それだけでは、銀行を納得させるには足りません。
店舗を移転する場所は、今の店舗の比べて人通りが多いのか、少ないのかなど。
当然、今後の売上の予測も変わってくるからです。
そのため、
設備投資の融資を申し込む場合は、
今後5年間ほどの収支予測(事業計画)の提示を、最低でもしておきたいところです。
4.まとめに
「店舗を縮小移転したいのですが、移転費用について融資を受けたいと思っています。」
そうお考えになったオーナーさんは、
上の3つのポイントを最低でもクリアする必要があるんだなと、
頭の片隅にいれておいてください。
kei
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