税理士の山本です。
「利益が出ているから役員報酬を上げましょう。」
もし、あなたの税理士がこの言葉を言ったら、注意してください。
美容室経営を知らない税理士がよく言う言葉なのですが、
あなたが将来、多店舗化などの事業拡大を目指していらっしゃるのであれば、
税理士変更をご検討いただいてもいいくらいです。
1.美容業と、他の業種は違います
役員報酬を上げたがる税理士は、
役員報酬という「経費」を多く作りたいのかもしれません。
そうすることによって、法人で払う利益を圧縮したいと。
美容以外の業種ならそれでもいいかもしれませんが、
美容室経営(特に、多店舗展開)を考えたとき、話は全く違ってきます。
なぜなら、多店舗展開を進めていくのであれば、
法人に利益+現預金を残し、財務面で強い決算書を作る必要があるからです。
2.多店舗化を進めるのであれば
私は、オーナーの皆様には
理想を言えば、開業してから2~3店舗と出店が進むまでは、
できるだけ役員報酬を下げておきていただきたいと考えています。
なぜなら、役員報酬を上げると、
①多店舗展開のために必要な自己資金が、法人に残らない。
②また、役員報酬を上げた分、法人の利益も少なくなるため、
財務面での銀行評価が下がり、新規出店に必要な融資が受けにくくなる。
という事態に陥ってしまうからです。
一方、理想的なのは、
①役員報酬を生活費の水準まで抑えて、法人に利益+現預金を残す。
②すると、財務面で強い決算書になるため、融資も受けやすくなる。
③新規出店を行い、更に利益+現預金を増やす
という好循環を作っていただきたいということ。
そして、多店舗化が進み、スケールメリットによって
法人の利益に余裕がでてきたタイミングで、オーナーさんの役員報酬を増やす。
こういう戦略をとっていただきたいと考えています。
3.まとめに
「利益が出ているから役員報酬を上げましょう。」
もし、あなたの税理士がこの言葉を言ったら、ご注意ください。
その税理士は、美容業をあまり知らない可能性があります。
役員報酬を上げると、
多店舗展開の足を引っ張ることにも繋がります。
むしろ、法人で利益を残す。
税金を払ってでも、現預金を残すことによって、
法人の財務を強くすることを、優先なさってください。
【山本のひとりごと】
あるオーナーさんのおばあ様のお言葉。
「『めんどくさい』が口癖の女に、いい女はいないし。
『忙しい』が口癖の男に、いい男はいないよ。」
なるほどですね。
kei
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