美容室・理容室専門の税理士 山本 佳

オーナーに独立を伝えたら、いきなり遠くの店舗に転勤させられた

美容室と転勤

 

 

税理士の山本です。

 

 

「独立することをオーナーに伝えたら、いきなり遠くの系列店舗に転勤を命じられました。

数日後には移らなきゃいけないんですが、これって拒否できるんでしょうか?」

 

 

これから開業予定の美容師さんから、こんなご質問をいただきました。

 

 

この美容師さんは、勤務店の近くで独立なさるということもあり、

お客様の引き抜きを防ぐため、オーナーさん側は店舗を異動させるのでしょう。

 

 

ただ、数日後というのは、あまりに急すぎますね(汗

 

 

こういったケースでは、

 

 

①まずは、お店の就業規則で、異動(配置転換や転勤)がどういう取扱いになっているかを確認してください。

 

 

就業規則に、「会社は業務の都合により必要がある場合は、配置転換又は転勤を命じることがある」といった規定を設けている場合、

この規定を根拠に、お店はスタッフさんに異動を命じることができます。

つまり、規定があれば、原則として異動しなければなりません。

 

 

②ただし、例外的に、次のような場合は拒否できるとされています。

 

 

「職種や地域を限定して採用した場合」

 

「著しい負担を社員に強いることになる場合(親族の介護をしているのに遠方に転勤になる等)」

 

「不当な動機、目的がある場合(嫌がらせ目的等)」

 

 

そのため、今回のようなケースでもしお店側と争うのであれば、

3つ目の「不当な動機、目的がある場合(嫌がらせ目的等)」を労基署・裁判所などに訴えていくことになります。

 

 

③ただ、この争うというのも、「今後も長期的に働いていく意思がある」という前提であることが一般的であるため、

 

退職を前提にした場合、労基署などが親身に対応してくれるかは正直難しいという現実もありますので、

 

残念ですが、転勤を受け入れられないのであれば、予定より早く退職せざるを得ないケースがほとんどです。

 

 

予定より早く退職することになった場合、

 

 

・開業スケジュールをできる限り早める

 

・開業までは、面貸しとして働く

 

・開業時の運転資金の融資申込金額を上げる

 

 

などにより、できるだけご自身でコツコツ貯めた自己資金が削られないよう、

最善の対策を打っていきましょう。

 

 

それでは。

 

 

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税理士の山本 佳です。千葉・東京を中心に、美容室・理容室の経営者の方々へ、税務顧問サービス・融資サポートを行っています。美容室・理容室の顧問契約、開業や融資でお悩みの方は、ご相談ください。
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