美容室を開業する際の、公庫以外の選択肢

美容室・理容室を開業するあなたへ

地方自治体による「制度融資」のデメリット【美容室を開業する際の、公庫以外の選択肢

 

 

税理士の山本です。

 

 

 

 

これまで、別の記事で、「制度融資」の内容、そしてメリットについてお伝えしてきました。

 

 

 

 

今日は、「制度融資のデメリット」についてお伝えしたいと思います。

 

 

 

 

「制度融資」には、大きく4つのデメリットがあります。

 

 

 

 

デメリット①「3人の審査がある」

 

 

制度融資は、「自治体・金融機関・信用保証協会」の3者の審査をくぐりぬける必要があります。

 

 

 

 

特に、信用保証協会の審査が1番の難関です。

 

 

 

 

保証人となる信用保証協会がOKというかどうかが、融資実行になるかの境目ですね。

 

 

 

 

ちなみに、日本政策金融公庫は、公庫1者の審査をパスすればOKです。

 

デメリット②「融資実行までに時間がかかる」

 

 

 

制度融資は、融資申込から実行までの期間が、おおむね2か月程度かかります。

 

 

 

 

日本政策金融公庫の融資が、申込から実行まで1か月程度なのに比べると、

 

 

 

 

2倍の時間がかかるんですね。

 

 

 

 

なぜ2倍の時間がかかるかというと、「自治体・金融機関・信用保証協会」の3者が審査を行うため、

 

 

 

 

公庫よりも審査に時間がかかるためです。

 

 

 

 

 

デメリット③「自己資金の要件が厳しい」

 

 

 

日本政策金融公庫の新創業融資は、「総投資額の10分の1以上の自己資金」を要件としています。

 

 

 

 

一方の制度融資は、「自己資金の3倍くらい」までが限度になっていることが多いです。

 

 

デメリット④「営業許可証の提出時期が、融資の実行前であること」

 

 

実は、公庫以外の銀行では、融資前に営業許可証を信用保証協会へ提出することが求められ、

 

 

 

 

許可取得の確認ができないと融資が行われません。

 

 

 

 

つまり、

 

 

 

 

美容室の開業前後のタイミングでお金が入るということです。

 

 

 

 

 

これでは、お店の内装工事などの支払いができないので困りますよね。

 

 

 

 

開業資金は、内装や設備を含めて通常1,000万以上かかるのに、

 

 

 

 
自己資金で一時的にすべて賄うのは現実的ではありません。
 

 

 

 

 

また、もし万が一、融資の審査に落ちた場合どうなるか?

 

 

 

 

内装工事業者への支払ができないため、お店も準備できません。

 

 

 

 

つまり、営業許可の申請すらできないという最悪の事態にもなりかねません。

 

 

 

 

公庫以外の銀行の場合は、こんなリスクもあるんですね。

 

 

 

 

 

以上が、制度融資のデメリットです。

 

 

 

 

ちなみに、デメリット④の理由から、

 

 

 

 

美容室の新規開業時の融資では、日本政策金融公庫が選ばれることがほとんどです。

 

 

 

 

 

また、開業はスピード勝負な面もあるため、

 

 

 

 

デメリット②「融資実行までに時間がかかる」こともネックとなり、

 

 

 

 

日本政策金融公庫が選ばれることがほとんどです。

 

 

 

 

 

ですが、開業後は、民間の金融機関と上手に付き合って資金調達をしていく必要があります。

 

 

 

 

そのため、制度融資にどんな特徴があるのか、将来のために覚えておいてくださいね。

 

 

The following two tabs change content below.

kei

税理士の山本 佳です。千葉・東京を中心に、美容室・理容室の経営者の方々へ、税務顧問サービス・融資サポートを行っています。美容室・理容室の顧問契約、開業や融資でお悩みの方は、ご相談ください。

地方自治体による「制度融資」のメリット【飲食店・美容室を開業する際の、公庫以外の選択肢】地方自治体による「制度融資」のメリット【美容室を開業する際の、公庫以外の選択肢】前のページ

信用保証協会とはどんな組織か知っていますか?あなたの将来の資金調達に影響します次のページ信用保証協会とはどんな組織か知っていますか?あなたの将来の資金調達に影響します

関連記事

  1. 面貸し、税務調査でやばし【面貸ししている美容室は、注意!】
  2. 美容室の開業融資
  3. 残業者に支給する食事は、原則、給与にならないことを知っていますか?
  4. 美容室・開業のために必要となる資格【防火管理者の資格をとっていますか?】 あなたの開業するお店には、スタッフさん・お客様含めて、30人以上の人が収容可能でしょうか? もし、収容人員が30名以上の美容室・飲食店を開業するのであれば、「防火管理者」の資格が必要です。 消防法により、あなたのお店の防火管理者を選任し、開業時に消防署に届け出なくてはいけません。 「防火管理者」は、防火上必要な業務を適切に遂行し、その防火対象物の管理を行なう人をいいます。 つまり、「火事が起きるのを防止して、もし、火事が起きたら、適切に避難誘導などの行動ができる人」です。 なお、 お店の延床面積が300㎡以上なら「甲種防火管理者」、 お店の延床面積が300㎡未満なら「乙種防火管理者」の選任が必要になります。 また、「防火管理者」の資格は、 最寄りの消防署が行っている「防火管理者講習」を修了することで取得できます。 そして、「講習期間」は、甲種は2日・乙種は1日で、「受講料」は3,000~5,000円です。 なお、余談ですが、火災で多くの方が思い出すのが、「新宿歌舞伎町ビル火災」ではないでしょうか。 2001年9月、44名の方がお亡くなりになり、3名の方が負傷したあの痛ましい事件です。 あの火災をきっかけとして消防法が大幅に改正されました。 防火管理者の必要性と重要性を伝えるのに、あれ以上の教訓はないように思えます。 現在も、「防火管理者」の講習では、「新宿歌舞伎町ビル火災」を引き合いに出して、 講習が行われることも多いと聞きます。 多くの死傷者を出した原因は、避難通路の確保が不十分であったためとされています。 あなたのお店でも、いつどんなことが原因で火事に見舞われるかわかりません。 あなた・お客様・スタッフさん、お店にかかわるすべての方の命を守るためにも、 「防火管理者」の資格を取るとともに、防火に関する意識を高めてください。
  5. 個人事業と会社(法人)、どう違うの?どっちが有利なの?【その⑤「赤字になった時の違い」】
  6. 消費者金融の利用がある(あった)人は、融資の致命傷になるって?【美容室・飲食店の開業融資】

最近の記事

  1. 月次支援金と美容室
  2. 佐倉市の理美容室
  3. 藤沢市の理美容業
  4. 木更津市の理美容業
  5. 板橋区の理美容業

ブログをメールで購読

当ブログの更新情報をメールでお知らせします。

Twitter

アクセス

 

〒260-0031

千葉県千葉市中央区新千葉1-7-3

CSB新千葉ビル601

 

対応エリア

千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県

 

*この他の地域の方もご相談いただけます。

 

お気軽にお問合せ下さい。

LINEでのお問い合わせ

友だち追加
LINEでのご相談も、お気軽にどうぞ。

お問い合わせの際には、下記の項目をお送りください。

①お名前、②お問い合わせ内容
PAGE TOP