税理士の山本です。
新規のオーナーさんからご相談をいただくと、
「資本はプラスでも、実質は債務超過」
という決算書を見ることがあります。
どういうことか?
決算書の資本はプラスでも、
「含み損」を考慮すると債務超過になっているということです。
ちなみに「含み損」とは、
お店にある資産の現在の価値が、購入時の価値よりも低いときの差額をいいます。
(土地の購入時の価値100万、現在の価値30万、含み損△70万、というイメージです)
決算書を重視する銀行は、「含み損」がないかどうか必ずチェックします。
特に、詳しく含み損を調べられやすいのは次の4つ。
①有価証券
まず、代表的なのがこれです。
株式、投資信託などがあれば、時価に換算して含み損がないかチェックされます。
②土地・建物
そして土地・建物などの不動産。
お店が持っている土地・建物も、時価に換算して含み損がないかチェックされます。
③貸付金
次に貸付金。
お店から、代表者であるオーナーさん、働いているスタッフさんなどに貸付をしている場合があります。
その貸付金は本当に返ってくる可能性があるのか?
また、きちんと返済されるために、根拠(契約書の有無、実際の返済の有無)があるのかチェックされます。
そして、返ってくる可能性がないと判断されれば、含み損となります。
④売掛金・未収入金など
次に、売掛金・未収入金。この中に、
・長期間、入金がないもの
・倒産した企業に対するもの
が金額として残っていれば、当然含み損としてカウントされます。
このように、決算書の資本(純資産)から含み損を引いてみる。
そして、実際の資本はどれくらいあるのかを計算します。
決算書の資本はプラスでも、含み損を引いてみると債務超過になってしまうと大変です。
それで、「経営破綻先・要注意先」となってしまうこともよくあります。
(銀行から追加融資がでない or でたとしても利率などの条件が悪いと思ってください)
「うちのお店は大丈夫かな?」
とご心配なオーナーさんがいらっしゃいましたら、1度ご相談ください。
決算書を拝見して、実質的に債務超過になっていないかどうか確認させていただきます。
もし、債務超過であれば、早急に改善していきましょう。
kei
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