税理士の山本です。
美容室の開業のお手伝いをしていると、よく聞かれるのがこの質問。
「個人事業と会社(法人)、どう違うんですか?」
個人事業と法人の違いを理解していただくと、どちらが有利かも見えてきます。
そこで、個人事業と法人の違いを、書いてみたいと思います。
今日は、その第1弾、「社会的信用の違い」です。
1.「社会的信用の違い」
一般的に、個人事業と法人を比べると「信用力」は、法人の方が高いと言われています。
なぜでしょうか?理由は2つ。
まず1つ目は、「昔のなごり」
昔は、会社を設立するためには、資本金の要件がありました。
株式会社であれば、1,000万円なければ設立すらできなかったんです。
それ以外にも、役員の最低人数なども決められていたため、
会社を作る時点で、ある程度の経営資源(「お金」や「人」)を準備する必要があったため、
法人の方が信用力が高いといわれた時代がありました。
しかし、現在は、その要件も緩和され、
資本金は1円以上、役員も、取締役が1名以上いれば株式会社を設立できるため
法人だからと言って、必ずしも信用力が高いというわけではありません。
これが1つ目の理由。
もう1つの理由は、
「会社(法人)でないと取引できない会社もある。」
ということ。
現在は、こっちの理由の方が大きいでしょうね。
なぜ、法人でないと取引できないのでしょうか?
まず、「登記情報が確認できる」という理由があります。
法人は本店所在地、代表者名などが法務局に登記されていて、誰でも閲覧できます。
一方、個人事業の場合は税務署に届出がされているだけで、
誰かがその内容を調べることはできません。
そのため、「私、〇〇商店です」とか名のる人がいても、
それを客観的に調べる方法がないんです。
だから、会社によっては、個人事業主を責任ある取引相手と見ないことがあります。
特に、掛取引を行う場合は、与信(信用を与えて掛けで売る)の問題上、
法人でないとダメだという会社は多いです。
また、「個人事業主は、死んだら終わり」という理由もあります。
個人事業主の場合、その人が死亡したり、重病にかかったら、その事業は終わりです。
法人の場合、代表者が死亡しても、取引は継続できます。
そういった違いもあります。
以上2つの理由から、
「信用力」の面では、法人の勝ちです。
なお、美容室のオーナーさんに、ぜひ覚えておいていただきたいのが、
美容室を開業する方は、特殊な契約で必要とされている場合を除いて、
社会的信用は、「個人事業でも法人でもかわりません。」
ということ。
取引先は一般のお客様で、仕入先も美容ディーラーや食品卸業者なので、
よほど規模の大きな取引をしない限りは、
法人にしないといけないケースは、まずありません。
<今日のまとめ>
いろいろ言ったけど、
「美容室を開業する方の社会的信用(信用力)は、個人事業でも法人でもかわりません!」
これだけ覚えといてください。
kei
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