税理士の山本です。
銀行が決算書を見るとき、注目する勘定科目の1つに、「商品(在庫)」があります。
なぜかというと、決算書の在庫の金額が「事実」と違うケースが少なくないからです。
決算書には500万の商品と書かれているのに、実際は100万の商品しかない。
というようなケースです。
なぜ、決算書と実際の金額が違うことがあるかというと、
不良在庫・架空在庫を計上することによって、利益を多く見せている経営者がいるから。
シンプルに言うと、「粉飾している経営者がいるから」です。
在庫を使った粉飾は、比較的容易であり、かつ安易に行われがちなため、
銀行としても、在庫の金額が大きい決算書を警戒しています。
※「どうして在庫の金額が大きくなると、利益の金額が大きくなるの?」
と思われた方は、個別にご連絡いただければご説明させていただきます。
不良在庫・架空在庫があったとして、銀行は決算書をどう評価するかというと、
①決算書には、500万円の商品(在庫)がある。
②実はその中に、200万円の不良在庫(もう売れないもの)がある。
③更に、200万円の架空在庫(実在しないもの)もある。
としたら、
そのお店の在庫の本当の価値は、実は、100万しかないことになります(500△200△200=100万)。
このように銀行としては、500万を本当の価値である100万に読み替えて、
決算書を評価していくということです。
※「現金」に置き換えてみるとわかりやすいですが、
500万の現金があると書いてあるのに、実際は100万の現金しかなかったら、
①決算書の評価(数字)、②人としての評価(誠実性)の両方を下げざるを得ませんよね。
何はともあれ、銀行は在庫の金額が大きい決算書を警戒しています。
あまりに金額が大きいと思われたら、ない(0円)として評価されることもあるくらいです。
実際にあるものをないとされたら、融資を受ける我々としては当然に不利益ですよね。
そこで、次回の記事では「在庫が本当にある」ことを証明する方法をお伝えさせていただきます。
kei
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