美容室と在庫

銀行・融資・財務のこと

銀行に「在庫がある」ことを証明する方法

 

 

 

税理士の山本です。

 

 

 

前回の記事に引き続き、「商品(在庫)」についてです。

 

 

 

「決算書の商品の金額、ちょっと多くありませんか?」

 

 

 

と銀行さんに疑われたとき、どうやって金額の正当性を証明するか。

 

 

 

どうすれば銀行に、決算書の商品が確かにあることを証明できるか。

 

 

 

今日は、その対策をお伝えさせていただきます。

 

 

 

1.実物を見せる

 

 

まず有効なのは、シンプルに在庫そのものを銀行に見せることです。

 

 

 

現物があれば、少なくとも架空ではないことがわかります。

 

 

 

そんなのあたりまえじゃないか! と思われるかもしれませんが、

 

 

 

「銀行に在庫を見せたことがない」という方は意外と多いのではないでしょうか?

 

 

 

在庫がバックヤードにあれば、それを見てもらうということです。

 

 

 

また、ここでのポイントが、「整理整頓されていること」。

 

 

 

在庫をしまう棚がぐちゃぐちゃだったり、ホコリをかぶったりしている。

 

 

 

これでは、在庫の数字そのものが信用できませんから逆効果です。

 

 

 

現物を見せる以上は、キチンと管理できているからこそ、決算書の金額が正しいものであると示しましょう。

 

 

 

2.同業他社の平均データを示す

 

 

また、有効な方法として、同業他社の平均データを示すという方法もあります。

 

 

 

美容業・理容業の平均データは、ネットや書籍で確認することができますし、

 

 

 

銀行は独自にデータを持ってチェックしています。

 

 

 

そのうえで、自社の在庫量・在庫率が同業他社の平均くらいor平均以下であれば、

 

 

 

「粉飾の問題はないな」という評価を得られます。

 

 

 

一方、問題となるのは、自社のデータが同業他社平均よりも、だいぶ多いというケースです。

 

 

 

この場合、銀行は不良在庫・架空在庫を疑うことになりますから、「なぜ多いのか」を説明するのが大切です。

 

 

 

「消費税増税前に駆け込み購入を行ったため、普段より多くの在庫を持っていたためです。」

 

 

「〇月に店販のキャンペーンを行う予定であるため、それに先立ち通常より多くの仕入を行ったためです。」

 

 

などなど。

 

 

 

合理的な説明ができないと疑われるばかりですから、お気を付けください。

 

 

 

3.入出庫の記録を見せる

 

 

 

た、決算書の多額の在庫に対しては、

 

 

 

「本当に売れるの?」「デッドストックになっているんじゃないの?」

 

 

 

とも疑われていると思ってください。

 

 

 

いくら在庫があっても、売れなければ1円もお金にはなりません。

 

 

 

お金にならなければ返済に影響しますから、銀行は「ほんとうに売れるのか?」が気になるのです。

 

 

 

そんな時に役に立つのが「入出庫表」です。

 

 

 

入出庫表を見たときに、商品が入出庫を繰り返していれば「本当に売れている」ことの証明になります。

 

 

 

これは、決算日など一時点の状況で作成する「在庫表」では証明できません。

 

 

 

入出庫表を見せられるオーナー様は、証明のためにぜひ見せていきましょう。

 

 

 

4.月次試算表を、毎月見せる

 

 

 

最後の方法は、月次試算表を、毎月銀行に見せることです。

 

 

 

この時のポイントは、「毎月、棚卸がされている試算表かどうか?」です。

 

 

 

毎月棚卸をして、その結果を試算表に反映させていること自体が、在庫の正当性のアピールになります。

 

 

 

一方、毎月試算表を見せていても、棚卸をしていないとどうなるか?

 

 

 

毎月の棚卸をしないと、在庫の金額は期首からずっと同じです。

 

 

 

銀行からしてみれば、「本当に在庫あるの?」「そもそも、本当にこの試算表って正確なの?」と首をかしげたくもなります。

 

 

 

なお、「棚卸を毎月やるのは、とてもできないな。。。」というのであれば、

 

 

 

帳簿棚卸(標準的な原価率などから、あるべき在庫を計算する)でも、やらないよりはマシということは知っておいてください。

 

 

 

まとめに

 

 

銀行は、粉飾に使われやすいということもあり、決算書を見るとき「商品(在庫)」に注目しています。

 

 

 

決算書の在庫の金額が大きい時は、特にです。

 

 

 

疑われたとき、どうすれば決算書の正当性が証明できるのか。

 

 

 

いざというときのため、対策はぜひ頭に入れておいてください。

 

 

 

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税理士の山本 佳です。千葉・東京を中心に、美容室・理容室の経営者の方々へ、税務顧問サービス・融資サポートを行っています。美容室・理容室の顧問契約、開業や融資でお悩みの方は、ご相談ください。

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