税理士の山本です。
「配当金をだせば、節税になりませんか?」
お客様に時々、こんなご質問をいただきます。
オーナーさんが100%株主である会社で、
「配当金」として自分に現金を支払えば、
「配当が経費になり、法人税が減るんじゃないか。」
とお考えになったということです。
まず結論から。
配当金は、節税にはなりません。
むしろ、損をします。
理由は2つ、
1.二重課税で損をする
給与に所得税がかかるように、
配当を受け取った株主であるオーナーさんには、
配当に対して所得税がかかります。
「給与」の場合、
①給与をもらった人には所得税がかかりますが、△
②会社は、その分が経費になり、法人税も減ることになります。〇
一方、「配当」の場合
①配当を受け取った人には、所得税がかかりますが、△
②配当は、会社の経費になりませんので、法人税は1円も減りません。△
つまり、所得税・法人税が両方取られてしまうわけです。
これを、二重課税と言います。
※配当控除という、二重課税を調整する制度がありますが、
完全には調整しきれないので、やはり損をします。
2.所得税率で損をする
また、所得税は、所得が高くなるほど税率が高くなる累進課税で、
最高税率は45%です。
これに住民税を含めると、税率は最大で55%にもなります。
一方、法人税は、
所得800万円以下であれば実効税率は、約23%、
所得800万円超であっても、実行税率は、約34%
つまり、配当をすればするほど、
個人の税率は上昇していくということです。
そのため、利益は、
配当よりも、内部留保に向けた方が節税になります。
3.まとめ
①二重課税、②累進税率
といった事情から、
節税目的の配当は、効果がないと知っておいてください。
むしろ、配当はできるだけしないで、
内部留保に回していただきたいなと思ってしまいます。
そうすることで、
会社の資本を充実させたり、
2店舗目、3店舗目の出店資金にあてるほうが、
会社の事業拡大にとって、望ましいと思うからです。
あなたの成功を、いつも応援しています。
kei
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