美容室と白色申告

美容室・理容室を開業するあなたへ

美容室は、白色申告の方が得ですか?

 

 

 

「先輩から聞いたんですけど、美容室は、白色申告の方が得なんですか?」

 

 

 

独立予定の美容師さんから、

 

 

こんなご質問をいただきました。

 

 

 

 

「白色申告なら、経理はいい加減で大丈夫だよ。」

 

 

「売上も、全部つけなくていいよ。」

 

 

「まともに申告したら、損するよ。」

 

 

 

その先輩が言うには、こういう言い分らしいです。

 

 

 

 

申し訳ありませんが、先輩。

 

 

リスクが高すぎますし、

 

 

そもそも脱税、違法です。

 

 

 

1.売上をごまかすリスク

 

 

白色申告は、

 

 

決して、売上をごまかしても良い、

 

 

という制度ではありません。

 

 

 

 

売上をごまかしたら、

 

 

白色・青色の前に、それは脱税です。

 

 

 

 

白色申告の1番のメリットは、

 

 

課税所得300万円以下の場合、

 

 

帳簿付けの義務が免除されていたこと。

 

 

 

 

しかし、平成26年から制度が変わり、

 

 

すべての白色申告者に帳簿作成と書類の保存が義務化されています。

 

 

 

 

つまり、

 

 

白色の1番のメリットが消え、

 

 

あえて白色を選ぶ理由は、もうなくなっています。

 

 

 

 

この先輩の言う通り、

 

 

「経理をいい加減に、売上を全部つけずに、まともに申告しない。」

 

 

としたら、どうなるか。

 

 

 

 

もし、税務調査で指摘されたら、

 

 

 

①所得税、②住民税、③事業税

 

 

④消費税、⑤国民健康保険料

 

 

 

本来、納めるべきだったこれらの税額を、

 

 

一括で納付することになります。

 

 

 

しかも、過去3年分です。

 

 

※悪質だと認められれば、過去5年分になります

 

 

 

 

1年当たり150万円の追徴課税として、

 

 

3年分で、450万円。

 

 

 

 

これに、加算税と延滞税も載ってくるので、

 

 

450万円×1.35倍 ≒ 600万円

 

 

過去5年分だと、≒ 1,000万円

 

 

 

 

スタッフさんも雇用していた場合、

 

 

この金額は、さらに膨れ上がります。

 

 

全く笑えません。

 

 

お店の存続にかかわる金額です。

 

 

 

2.税務署のスタンス

 

 

これは余談ですが、

 

 

税務署と税理士会は、

 

 

定期的に「連絡協議会」という名の意見交換をしています。

 

 

 

その中で、

 

 

「納税者の方々へ、なるべく青色申告にしていただけるように、お願いしていきます。」

 

 

税務署側から、こんな話もでていました。

 

 

 

 

言い方を変えると、

 

 

「白色申告のままなら、お尋ねや、税務調査を重点的に行うよ?」

 

 

税務署は、こう釘を刺してきているわけです。

 

 

 

 

つまり、現在、

 

 

積極的に白色を選択するメリットはありませんし、

 

 

税務調査の対象となりやすくなっていることも、

 

 

知っておいてください。

 

 

 

 

また、白色でも青色でも、

 

 

「経理をいい加減に、売上を全部つけずに、まともに申告しない。」

 

 

ことが許されるわけではありません。

 

 

 

もし、税務調査で指摘されたら、

 

 

ご自身だけでなく、ご家族、スタッフさんの将来にも影を落とします。

 

 

どうか、適正な申告・納税をお願い致します。

 

 

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kei

税理士の山本 佳です。千葉・東京を中心に、美容室・理容室の経営者の方々へ、税務顧問サービス・融資サポートを行っています。美容室・理容室の顧問契約、開業や融資でお悩みの方は、ご相談ください。

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