税理士の山本です。
法人化のご相談を受ける時に、よく言われるセリフがあります。
「知り合いのオーナーに、会社にした方が節税になると言われた。」
個人のオーナーさんであれば、
このようなセリフを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
正直にお伝えすると、
会社を設立したからと言って、必ずしも節税になるわけではありません。
1.シミュレーションもせずに判断できません
私も、法人化のご相談はよくいただきますが、
個人・法人のどちらが有利になるか、必ずシミュレーションを行います。
「正社員サロンか、業務委託サロンか。」
「消費税は、いつから発生するのか。いくらになる見込みか」
「多店舗化を進めていくのか、それともマンツーマンサロンがご希望なのか。」
など、オーナーさんによって前提条件が違うため、
考えるべき指標は、1つではありません。
決して、
「法人の方が、節税になる。」
というように、1つのものさしで法人化を判断なさらないように、
お気を付けいただきたいです。
2.1番の違いは、社会保険
また、その知り合いのオーナーさんが会社を設立したのが、
5年以上前のことだとしたら、今とはだいぶ状況が違います。
1番の違いは社会保険です。
法人になさった場合、社会保険は強制加入です。
しかし、5年以上も前に設立した会社の場合、社会保険に加入していない可能性があります。
※現在ほど、年金事務所の調査が厳しくない時期だからです
もし、社会保険に加入していないオーナーさんに「会社を設立した方がいいよ」と言われたら、
その話はそのままスルーしていただいた方がいいです。
そのくらい、社会保険の影響は大きいです。
人件費が15%増える。
人件費率の高い美容業でのビジネス展開を考えた時、
このシミュレーションもせずに法人化を判断するのは、ぞっとします。
オーナーさんの役員報酬が年500万円で、
年300万円の給料のスタッフさんを3人雇うとしたら、
社会保険料の負担は、年210万円にもなります。
社会保険に加入していないオーナーさんであれば、
この210万円の社会保険料を支払っていないのですから、
会社を設立した方が節税になるということは、決して言えないはずです。
3.まとめに
「法人化したんですが、節税以上に、社会保険料負担がきついんです。」
こういうオーナーさんが増えているという事実も知っておいてください。
もし、これから法人化を検討なさっているのであれば、
必ず、シミュレーションをしたうえで、判断なさってください。
また、もう、法人化してしまったけれど、
社会保険料負担がきつくて資金が回らないというオーナーさんであれば、
「個人成り(個人事業主にもどること)」
によって、キャッシュ負担を軽くすることも対策としてはありますので、
早めにご相談ください。
あなたの理想とする経営スタイルに合った組織展開を、一緒に考えていきましょう。
【山本のひとりごと】
先日、熊本に行ったのですが、
秋になって、秋桜(コスモス)が綺麗に咲いていました。
やっぱり、暖かい分、本州より少し早く咲くんですね。
kei
最新記事 by kei (全て見る)
- 【ただいま、新規顧問契約のお申込みを停止させていただいております】 - 2021年11月25日
- 経済産業省より、「月次支援金のリーフレット・詳細」が公表されました!【一時支援金・第2弾】 - 2021年5月19日
- 山武市中小企業緊急支援給付金【山武市の理美容業のオーナー様へ・市独自の給付】 - 2021年5月17日