美容室・理容室専門に税務顧問サービスを提供している
税理士の山本です。
さて、美容室・理容室のオーナーさんが開業をなさるとき、
必ずしも自己資金が十分にあるケースばかりではありません。
もし、融資希望額に対して、自己資金が少ない場合は、
「協調融資(きょうちょうゆうし)」
になる可能性が高くなります。
あるオーナーさんが準備することができた自己資金は、
融資希望額の1割ほどでした。
融資希望額の3割くらいの自己資金が理想的なのですが、
こればかりは仕方ありません。
今回のように、自己資金が少ないケースで融資を申し込むと、
融資を受けることができないのでしょうか?
そんなことはありません。
自己資金が不足している場合は、
「①過去の実績」、「②協調融資」
この2つで解決できることがあります。
1.過去の実績
今回のように自己資金が少ない場合は、過去の実績が重要となります。
美容業界での経験が、
公庫の融資の申込要件とされている6年以上あることはもちろん、
勤務先で、店長やマネージャーなどの役職があり、
店舗マネジメント経験があることは、
銀行評価において重要なポイントとなります。
自己資金の不足分は、
過去の勤務年数、勤務先での役職などでカバーすることも出来ますので、
創業計画書では、その辺もアピールして記載するようにしましょう。
2.協調融資(きょうちょうゆうし)とは
協調融資とは、希望融資額の全額の融資が難しいと判断した場合、
他の銀行と協力して融資することです。
融資希望額1,000万円の方が協調融資となった場合、
50%の500万円を公庫が融資して
残り50%の500万円を、〇〇銀行が融資するというイメージです。
※公庫だけで融資するのはリスクが高い、単独での融資が厳しい、
と判断された時、他の銀行と協力して協調融資となります。
なお、他の金融機関は、公庫の担当者へお願いをすれば、
自分で探さなくても公庫から案内してもらえますので、ご安心ください。
3.デメリット
①「審査に時間がかかる」
協調融資では、2つの金融機関の審査をクリアしなければならないため。
融資の実行まで、時間がかかることがデメリットです。
②「空家賃が発生」
また、すでに仮契約している不動産物件がある場合、
売上が立っていないのに、空き状態での家賃が発生します。
③「内装業者への支払い」
また、内装工事を行う際、
事前に、手付金の支払契約を結ぶケースがほとんどです。
この手付金は、工事代金の一部ではありますが、
工事の見積りによっては、数百万を払う必要も出てきます。
これを一時的に自己資金で払わなければならないこともデメリットです。
※しかも、自己資金不足で協調融資となっているのに、
手付金を払う余裕はそもそもないはずです
まとめに
将来、開業をお考えであれば、知っておいてください。
自己資金の多さは、スムーズな開業に直結します。
「協調融資」は、
開業資金を調達する1つの方法ではありますが、
できれば避けて通りたいというのが、本音ですので、
コツコツ自己資金を貯めておいてください。
目安は、開業資金の3割です。
あなたが、理想とするお店をオープンできますように。
【山本のひとりごと】
ハムスターのお尻、通称ハムケツ。
後ろから見ると、たまらない丸さだな。
※アイキャッチの写真です
kei
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